2011年10月9日日曜日

トヨタショック?

なんかトヨタがサプライヤーに部品供給価格を半額にしろと要求したとかしないとか、ネットの一部で話題になっているようだ。
真偽の程は定かではないが、トヨタなら言いかねないだろうなとか思う。

今までも、基本スタンスは生かさず殺さずの利益をあげさせる程度の材料調達をしていたはず。金額に限らず、例えばトヨタ生産方式なんてのは下請けに棚残リスクを負わせるシステムであって、トヨタ単体としての利益は上がったとしても関係する会社も含めた全体の利益としてはマイナスにしかならない。やがて下請けもトヨタ生産方式を導入せざるを得なくなって、そしたらその指導料が発生したりという一度で何度もオイシイ商売方法だ。
恐らくは、下請けもがんばって原価低減を進めることになるのだろう。そのときに品質がどうなるのかを考えるとちょっと恐ろしい。そんなに派手な事故が起きるような品質劣化はないだろうけど、製品不良は命に関わるのがね。

トヨタに限らず自動車業界自体がかなり締め付けが厳しいし、知る限りでの製造業界では一番採算性を検証している分野だろう。関わる企業数も多く、日本国内だけでも全く関わりがない企業の方が少ないと思われる。これを機会に日本産業の空洞化が更に進むことになるのだろうか。

生産コストはいろいろあるけれども、電力使用料は意外と割合が多く占めている。
震災以来、電力会社は実質値上げしている。これは大量消費する工場等が節電したために、契約供給量が下がったことにより、基本契約による割引率が少なくなったためで、売上高は実はそんなに落ちていない。原油高ではあるが、円高による還元も大きいわけで、そうするとほとんど主力商品では損していないんだよね。補償のために財産処分とかのパフォーマンスをやっているけど、実はそんなに苦しい経営状態ではない。
それにも関わらず、円高による差益を民間に還元していないので、民間企業では円高による恩恵は少なくなっている。トヨタの原価低減運動はこの影響をもろに受けることになるだろう。

政府と日銀は円高メリットを生かすとか言ってるけど、いろんなカラクリや思惑が絡み合って、結局は産業空洞化推進するしか円高メリットを生かす手段はないわけで、夏場から上期末となる9月下旬にかけて、日本企業による海外企業の大型買収が複数手がけられた。
今年度末までに円高が是正されずに株価も上がらなければ、金融機関の含み損やら信用問題から発生する黒字倒産がまたしても発生することになるだろう。いい加減にして欲しいところだが、そのあたりも見据えての企業運営が要求される時代ということなのだろうか。
今のままでは政界主導での経済復興は期待できない。経済界主導だと空洞化以外に選択肢はない。製造業空洞化が進んだときに、サービス業や金融がどうなるのか見ものである。

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