さて、docomo、au、softbankの3社からiPhone5s/cが発売されたことで、いろんなデータが評価され交錯している。祭は好きなのだが見ていてなんだかなぁな記事が多いのでチラ裏してみる。
携帯電話での通信速度について前提となることをいくつか書いてみる。
まず、仕組みとして携帯電話基地局のアンテナが一度に通信できる回線数は然程多くない。都心などでは常時通信回線を接続できることはない。そこでどうするかというと、通信をパケット化して少しずつ順番に接続要求のある携帯端末機とのデータをやりとりすることになる。いわゆるパケット通信というのはここから来ている。
さて、発売後より話題となっている通信速度比較だが、正直なところ参考にもならない数値しか示されていない。前述の通り空中線接続数に左右される内容であることから、無線基地局に接続している携帯端末機の台数がどの程度あるのかが不明である以上、早いも遅いも参考にならないのである。
無線基地局の局数が増えればという見解もあるが、無闇に局を増やすと電波干渉により不通となるスポットが発生する。これはここ数年docomoでよく起こっており、これはスポットに基地局から指向性のある空中線端末を新たに設置することで解消している。業務上の都合で、とある物件でdocomoの電波障害が発生したため、その対策を依頼してから実施まで数ヶ月かかった経験からすると、相当数の場所で電波干渉障害が発生しているものと想像する。
また、周波数帯が表示されているが、その利点なども参考にされていないところを見てしまうと、ただの数字マニアの自己満足報告だなぁとうんざりした気分になる。
いわゆるプラチナバンドと言われる800MHz帯の強みは障害物を回り込んでの通信に優位性があるわけで、駅前なんかの開けたところで測定したならば800MHz帯に優位性のある結果にはならない。何を比較したいのかよくわからない。
携帯キャリアが通信環境を向上させても、電波状態は基地局がカバーする範囲内にある端末数とその要求内容により大きく変わり、基地局内の処理とそれをとりまとめる中継局の処理によっても変わる。携帯キャリアが広告する最大通信速度の実現する環境は事実上ありえないものと考えてよいし、測定結果もタイミングが1分違っただけで大きく変わる。
だらだらと書いてしまったが、数値に一喜一憂している連中を見ているとなんだかなぁな気分になるのである。
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